『戦う!老健協』

会長あいさつ (令和5年8月)

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秋山会長写真

 

老健施設の現状と次期介護報酬改定に向けた課題

 

岡山県老人保健施設協会
会長 秋山 正史
(老人保健施設 倉敷藤戸荘)

 

 

岡山県老人保健施設協会の皆さまに今回は下記の3つについてお話しさせていただきます。

① 新型コロナウイルス感染症が老健に与えた影響と今後の取り組み
② 物価高騰の現状と今後について
③ 次期報酬改定に向けて

●新型コロナウイルス感染症が老健に与えた影響と今後の取り組み
新型コロナ感染症は第8波が本年2月に収束し、5月8日より取扱いが感染症法上の第5類に移行しました。まさに波のように寄せる感染の流行で昨年の夏および年末年始の冬の第7・8波では、それまでにない感染者数を記録し、高齢者施設におけるクラスター発生もそれまでの数倍に達していました。致死率はワクチンや治療薬の開発に伴い顕著に低下しているものの、感染者数の爆発により高齢者を中心に死亡者数は増え、超過死亡の形で目に見えるものとなっています。老健施設においても、ご入居者の入院や死亡あるいは新規の受け入れ停止などにより、施設入居率の低下となって経営の面でも影響が表れています。5類移行後は更なる流行を危惧する声もあり、実際この原稿を書いている7月半ば現在で医学的には第9波突入が示唆されています。私たち老人保健施設にとって新型コロナウイルス感染症の脅威はなんら変わるものではありません。引き続き各々が可能な感染予防対策を実行する、ワクチンの令和5年度春接種を確実に実施する等の対策を行い、しっかりとご利用者様を守っていきたいと思います。

●物価高騰の現状と今後
新型コロナウイルス感染症対策による財政支出やウクライナ戦争の影響で世界的なインフレーションの波が襲っています。物価高騰はエネルギー・食品・建築資材等ほぼ全ての分野に及んでおり、電気料金一つを取っても例えば入院・入居施設では一昨年と比べて昨年でさえ30~40%の値上がりです。今年6月からは多くの電力会社で再度の値上げがありました。また、食事を外部委託されている施設では今年度の契約で値上げの要請が届いていることと存じます。インフレに伴う支出の増大は本年度さらに加速すると想定されます。またこのインフレは当然施設のみでなく職員一人一人の生活にも大きな影響を与えており、スタッフの給与アップも喫緊の課題で、施設運営における支出はうなぎのぼりの状態にあります。

●次期報酬改定に向けて
昨年12月20日に政府の社会保障審議会介護保険部会から介護保険制度見直しに関する意見が出されました。(厚生労働省ホームページhttps://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho_126734.html)会員の皆さまにはなじみが薄いと思いますが、この会議の議論をもとに政府は介護報酬の改定を決めていきます。これらの意見は来年度の報酬改定に直結するものであり、施設の声をしっかりと届ける必要があります。アメリカのことわざに「きしむ車輪は油をさしてもらえる」というのがあります。コロナやインフレに立ち向かう私たちはまさにきしむ車輪であり、報酬大幅アップという油をさしてもらう必要があります。今こそ協会員一丸となって声を大にすべき時だと考えます。

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