『戦う!老健協』

会長あいさつ (令和5年1月)

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秋山会長写真

岡山県老人保健施設協会
会長 秋山 正史
(老人保健施設 倉敷藤戸荘)

 

 新年あけましておめでとうございます。会員施設の皆様におかれましては、健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 さて、この春でコロナ禍での生活も丸4年目となります。1年目は畏怖の念が強く、特に有名俳優の死が世間に大きな衝撃をもたらしたことが記憶に鮮明に残っています。夜の街は静まりかえり、電車も飛行機もガラガラ、数年前まであれだけ街中で見かけた国外の方も全くいなくなる様でした。2年目はどうでしょう。人類の英知は新たなワクチンを素晴らしいスピードで開発し、何十億と言うワクチン接種を素晴らしい手際の良さで行いました。さらには暗中模索だったコロナ重症例に対する治療方法も確立しました。また、根本的な抗ウイルス薬の治療薬も登場し効果を発揮しています。しかしながらその一方で3年目の昨年は夏に第7波、年末には第8波に見舞われ多くの感染者を出し、1年目には見られなかった超過死亡が顕著になっています。超過死亡率とは、特定の母集団(ここでは日本国)の死亡率(人口10万人あたりの死亡者数)が一時的に増加し、本来想定される死亡率が取りうる値を超過した割合のことです。これは通常、伝染病・パンデミック・飢饉・戦争・熱波・寒波などによって引き起こされます。すなわち3年目の昨年の方がコロナで亡くなった方が1年目・2年目よりはるかに多かったということになります。
 我々の日常業務でもクラスターの発生は珍しいことではありません。自施設で、あるいは近隣の施設でクラスター発生のニュースを聞いても驚かなくなりました。実際に岡山県でも第7波で160件以上のクラスターが発生していますし、すでに患者さんが発生しても入院対応ではなく自施設で治療看護をしているところも多いと思います。コロナ2年目、ましてや1年目では到底考えられない光景です。大変不謹慎な言い方かもしれませんが、コロナが次第に日常になってきていることを感じます。過去の歴史を紐解くと、ペストやコレラ・スペイン風邪など世界的な大流行は大体3年でめどがついています。今回のコロナ禍もひょっとすると大きな峠を越えたのかもしれません。
 一歩外の世界を見るといろいろ大きく動き出しています。2年目まではあまりなかった、実際に人が集まる催しも次第に再開されてきました。私たち老人保健施設協会でも昨年は3年ぶりの全国大会が9月に神戸で、中国大会が11月に山口で催されました。参加者はまだまだ少ないのですが新たな躍動を感じることが出来ました。今年はコロナ前のある意味懐かしい日常が戻ってくるのではないかと思います。
 一方で全く変わってしまった世界があります。その一つは働き方です。私の周りでもコロナの有無に関わらず在宅勤務をされている方が数名います。そのような働き方は今後も変わらないだろうということです。買い物も然り、リアル店舗より圧倒的にインターネットで買い物をするようになりました。以前からその傾向はありましたが、コロナで決定的になったような気がします。さらには遠いヨーロッパの戦争がこの東洋の島国にも大きな波となって押し寄せています。ほとんどの人が経験したことのないインフレが50年ぶりに話題になっています。今後の推移は予断を許しません。
 これらの変化は私たちの日常業務にほとんど影響を与えていないように感じるかもしれませんが、私たちは確実にその大きな変化の真っただ中にいます。「変化に対応できるものが生き残る」進化論の神髄は私たち介護老人保健施設の今後の在り方にも大きな示唆を与えてくれていると思います。私たちも将来を見据えて変わっていかなければならないでしょう。
 本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

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