お米の値段(2025年夏)

一般社団法人 岡山県老人保健施設協会
   会長 秋山 正史(倉敷藤戸荘)

 

 まだまだ暑い日々が続き、田んぼには稲がすくすくと育ち一面青々としています。そのお米ですが、昨年末から今春にかけて価格があれよあれよと値上がりし、あっという間に2倍以上になってしまいました。それは多くの国民に衝撃を与え、昨今のインフレを象徴する事象となりました。

 ところで皆さんは農家の方が受け取るお米の値段をご存知でしょうか?普通は一反でどれくらいと表すようですが、小中学校の25mプールを思い浮かべるとわかりやすいです。プールの広さにお米を植え収穫して販売、その受け取るお金はいくらだと思いますか。なんと3~4万円だったそうです!400万円の収入を得るには、25mプール×100面に稲を植えなければなりません。しかもこの額は農機具代や肥料の費用を引く前のお金です。お米作りがいかに絶望的であるかわかっていただけるかと思います。この安値は、国民の主食という理由で長い間人為的に抑制されてきた結果です。では、農家の人は生計を立てるためにどうしたかというと、兼業したりお米以外の作物を作って凌いできました。今回お米の値段が上がって農家の人はやっと一息つけたそうです。

 今、私たち医療・介護に従事する人がまさに第二のお米状態になっています。私たちがサービスの対価として受け取るお金は公定価格です。昨今のインフレで食料品をはじめあらゆる物の値段が上昇しましたが、私たちへの対価はほとんど上がっていません。その為、新たな設備投資ができず建物は古いまま、壊れた器具は直しながら使う、究極、給与が全く物価上昇に追いつかずやむ無く他業種に転職する、まさに農家の人たちが歩んだ道を辿りはじめているのです。

 米国の諺に”The squeaky wheel gets the grease(キーキー軋む車輪は油を塗ってもらえる)”とあります。まさにこの通りで、今こそ私たちが一丸となって声を上げる時だと思います。この夏の参議院選挙の結果に、私たちの声がしっかり届いていることを願います。