人口減少地域における介護サービス提供体制の構築(2026年8月)

一般社団法人 岡山県老人保健施設協会
   会長 秋山 正史(倉敷藤戸荘)

 

 会員の皆様におかれましてはますますご健勝のことと存じます。

 さて、私は岡山県老人保健施設協会の会長をさせていただいている関係で、県や市町村の介護関係の会議によく出席いたします。先般も、第10期介護保険事業計画の検討委員会に出席してまいりました。「介護サービスの更なる充実」「2040年に向け地域包括ケアの進化」等々、耳障りの良い文言が並んでいますが、私は何か違うなと感じることもあります。そんな中で、現況にしっくりくる提言を見つけました。財務省関係の財政制度審議会の6月26日に出された提言で、当事者ではない立場から冷静に分析しているように感じました。少し長いのですが引用します。

 「介護サービス利用者数は、全国で見ると令和22年(2040年)のピークに向けて増加する見込みとなっている。ただし、地域別に見ると、2割近くの市町村で既にピークを迎えている。こうした市町村では、令和22年(2040年)に向けて、1割程度利用者数が減少するものと予想される。また、令和22年(2040年)に高齢者人口の減少が見込まれる地域でも、既に介護事業所の減少が見られる。高齢者人口が減少し、介護サービス需要が減少する地域においては、市町村や都道府県が、将来の介護サービス需要を見極め、需要に対してサービスの供給が過剰にならないように留意する必要がある。同時に、今回の介護保険制度改革で導入される「特定地域サービス」等を活用しながら、配置基準の更なる柔軟化、介護事業所の多機能化・広域化、医療・介護の連携強化を推し進めることで、地域の実情に応じて、介護サービス提供を効率化しつつ、必要な介護サービスが維持されるサービス提供体制を構築することが考えられる。」

 まさにこの通りだと思います。前半は冷静に現状分析をし、後半の表現は少しマイルドではありますが、地方では介護サービスを減らしましょう、人員基準等施設基準を柔軟にし介護に関わる生産性を上げましょう、と言っています。こちらの方が私たちの実感に合うのではないでしょうか。今後高齢者が増加すると感じるのは首都圏など大都市の一部だけだと思います。岡山県では岡山市や倉敷市で良くて横ばい、その他の市町村では減少が実感されています。現状を正確に捉え、いつの間にか訪れていた大きな時代の変化にしっかりと手を携えて対応していきたいと存じます。