『戦う!老健協』

会長あいさつ(2018年冬)

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老健施設に基本型・在宅強化型の新類型創設!

―通所・訪問リハビリテーションにもリハマネⅣ導入―

ezawakaityou.2017.8.3

岡山県老人保健施設協会 会長 江澤和彦
(介護老人保健施設 和光園)

 2018年4月の介護報酬改定の方向性が定まってきた。改定率は、介護職員処遇改善加算を除く、実質の+0.54%と当初の予測を上回ることとなった。全老健の声掛けにより、署名賛同11団体、署名協力2団体のご協力を賜り、また、老健協会をはじめとする現場の皆さま方の多大なるご尽力により、「介護の現場を守るための署名」は181万筆を超える過去最多となり心より感謝申し上げる。この重みを受け止め、昨年11月15日に賛同団体の代表役員等にて、菅官房長官、麻生財務大臣、加藤厚生労働大臣を訪問させて頂き、181万筆の署名と共に、「介護の現場を守るための財源確保の要望書」を提出したことは、とても意味のあることであった。私も同行させて頂いたが、ご多忙の中、快く御面会してくださった3名の閣僚の先生方に敬意と感謝の意を表したい。

 改定の内容については、まだ公式に示されておらず、私見を交えて解説するため、実際と異なっていた場合はご容赦願いたい。結論から申すと、老健について、当初から期待していた通りの改定内容となっており、現行の強化型・加算型以外の従来型施設も努力すれば、超えられるハードルが設定されている。通所・訪問リハもリハマネ加算を積み上げることで評価が高まる仕組みであり、一定の成果を上げると評価される。

 今後の老健は、10個の評価項目の合計点数により、「基本型」「在宅強化型」「その他型」(※名称については、今後変更の可能性あり)に分類される。さらに、「基本型」に加算評価、「在宅強化型」に超加算評価が設定される見込みである。評価項目は、要介護4・5入所者割合・喀痰吸引実施割合・経管栄養実施割合・入所前後訪問指導割合・退所前後訪問指導割合・リハビリ専門職配置数・支援相談員配置数・在宅復帰率・ベッド回転率・実施居宅サービスの種類数(※短期入所療養介護・通所リハ・訪問リハの3つのうち)となる。退所者の1か月以上の在宅生活の継続・見込みの確認は、「基本型」と「在宅強化型」の要件となり、地域貢献活動及びリハマネ体制(取り組み)は「在宅強化型」の要件となる。本件について、介護給付費分科会に掲載されているデータは、皆さまに多大なご尽力を賜り、私が研究班長を仰せつかっている研究事業からの抽出であり、一定の努力により、全ての老健が基本型となれることが期待される。「その他型」は、継続して残る類型ではなく、来る2021年4月介護報酬改定までには、「基本型」から出来れば「在宅強化型」を目指したいところである。特に、入所・退所前後訪問指導は自助努力が問われる項目であり、今後、積極的に取り組むべきものである。

 また、老健の医師とかかりつけ医が処方方針を事前に合意して入所者の多剤投薬を減薬する取り組みを評価する。(※診療報酬の薬剤総合評価調整加算・連携管理加算を参考)所定疾患施設療養費に専門的検査を医療機関で実施する等の診断プロセスに係る手間に応じた上位の評価を導入する。専門的な診断等のための1週間以内の短期間入院を在宅復帰率等の算定に際し配慮する。その他、身体拘束廃止未実施減算の見直しとして、3か月に1回以上の委員会開催及びその結果の周知徹底・指針整備・定期的研修実施を運営基準に追加し減算幅を見直す。

 通所リハについて、リハマネ加算Ⅰ~Ⅳの新設に伴い3時間以上の基本報酬が適正化されるが、リハマネ加算を積み上げることにより、報酬減額を回避出来る仕組みとなる。医師の詳細な指示・3か月以上継続利用の理由を計画書に記載すると、新リハマネ加算Ⅰとなる。詳細な指示とは、目的及び開始前の留意事項・実施中の留意事項・中止基準・負荷量等のうち2つ以上である。リハ会議への医師の参加について、テレビ電話等(テレビ会議システム・携帯電話等のテレビ電話)を活用することも可となる。リハビリ専門職が医師の代わりに計画書等の説明することも可となり、新リハマネ加算Ⅱとなるが、現行のリハマネ加算Ⅱより評価は適正化され、現行のリハマネ加算Ⅱが新リハマネ加算Ⅲとなる。過去に一定以上の期間・頻度で介護保険・医療保険のリハビリ請求のある利用者については、リハ会議開催頻度を最初から3か月に1回に緩和される。質の評価データ収集等事業に参加し、現行のリハマネ加算Ⅱに加えて、様式データを同事業で活用しているシステム(VISIT)を用いて提出し、フィードバックを受けると新リハマネ加算Ⅳとして評価される。

 その他、介護予防通所リハにリハマネ加算が新設(要支援者の要件設定)され、社会参加支援加算の見直しとして、卒業先に介護予防認知症デイ・介護予防小多機への移行と就労が追加される。介護予防通所リハに生活行為向上リハ実施加算も新設される。また、リハビリ専門職の配置が基準よりも手厚い体制を構築し、リハマネに基づいた長時間サービスの提供を評価する。診療報酬の算定日数上限を超えた医療保険の脳血管疾患等・廃用症候群・運動器リハを介護保険へ円滑に移行するため、医療保険と介護保険のリハを同一のスペースで行う場合の面積・人員・器具の共用についての要件が緩和される。合わせて、医療と介護におけるリハ計画に係る様式もリハ計画書の共通事項の互換性を持った様式へ変更される。

 また、医療機関から当該様式をもって情報提供を受けた通所リハの医師が利用者を診療し、リハの開始を差し支えないと判断した場合には、介護保険のリハの算定を開始可能とする。(※ただし、3か月以内にリハ計画書を作成)訪問リハについても、リハマネ加算Ⅰ~Ⅳの新設等、通所リハと同様の改定内容となる。その他、介護予防訪問リハに事業所評価加算が新設され、専任の常勤医師の配置の必須化(※病院・診療所・老健の常勤医師と兼務可能、病院・診療所と併設している老健について併設の病院・診療所の常勤医師と兼務可能)が求められる。リハ計画書を作成する際の医師の診療について、利用者がリハ事業所の医療機関を受診した場合や訪問診療等と同時に行った場合は、診療報酬が算定されるため、介護報酬との二重評価を認めないこととする。リハ計画書作成医師の3か月に1回の診察については、評価は適正化されるもののかかりつけ医からの情報提供でも代替可となる。
上記の他、口腔衛生管理加算の見直し、栄養マネジメント加算・栄養改善加算の見直し、栄養スクリーニングの導入、新たな褥瘡管理の評価、排泄にかかる機能向上の取り組みの評価も盛り込まれる。

 今回の改定は、2021年介護報酬改定へ向けて、2018年改定に出来る限りのハードルを仕込み、3年間かけてそのハードルを超えて頂き、2021年以降も老健として生き残って頂くことを念願とするものであった。その目標は達成出来たと考えており、次なる展開は、全国の老健がどのように結果を出していくかにかかっている。岡老協としても、会員施設の取り組みを支援する活動を行っていく所存であり、何卒よろしくお願いしたい。

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